東光について

米澤城の東側、朝日が昇る方角の酒

小嶋総本店は、安土桃山時代に初代・小嶋彌左衛門が創業した造り酒屋です。江戸時代よりも前から続く数少ない酒蔵の1つとして、24代の長きに渡り酒造りを続けております。

江戸時代からは上杉家御用酒屋を承ります。飢饉の年などは米を節約するために酒造りを禁じる禁酒令が出されることもありましたが、小嶋総本店は御用酒屋として、禁酒令下でも酒造りを許されていたと言われています。

代表銘柄である東光は、「米沢の日の出」を意味します。小嶋総本店は米沢城(現:上杉神社)の南東、日の出の方角に位置します。日が昇る方角で醸される酒、それが東光です。

地域の資源を活かした、全量純米蔵

小嶋総本店は、純米酒しか造りません。醸造アルコールのような輸入スピリッツを添加すればお酒のコストを下げることができますが、私達は日本の米、地域の米だけでお酒を造ります。その土地の原料で造ってこそ地域の酒だ、と考えるからです。酒米も、その多くが契約栽培米です。

米沢は、年間積雪量が6メートルという豪雪地帯です。豊富な雪解け水は、吾妻山から最上川として山形県を縦断します。小嶋総本店は最上川の源流に最も近い酒蔵として、その清らかな水の恵みを受け続けてきました。

米沢に降った雪や雨が、川となり、地層を通って蔵に到達します。その水と地域の米を合わせ、菌が醸して酒になる。私達はこのシンプルな原則を大切にして、手造りでお酒を造っています。

料理に合う味わいを追求

小嶋総本店は、お酒そのものの美味しさを求めるのは勿論、お料理が美味しくなる、豊かな時間を生み出すお酒造りを目指しています。

そして、寒冷地の繊細さ、雪解け水の柔らかさ、そして内陸地域の奥深さを持ったお酒でありたいと考えます。

雪に包まれた蔵で低温長期発酵することで、お酒は繊細な味わいと香りを纏います。水の柔らかさは、そのままお酒の口当たりの柔らかさとなります。そして、内陸で暮らす私達の味覚や技術というエッセンスが加わり、洗練された中にも深みのある味わいが加わります。

是非、まずはお酒だけで味わってみてください。そして次に、美味しいお料理と一緒に召し上がってください。私どものお酒が美味しく豊かな時間をお届けできれば、これ以上の喜びはありません。